2008-12-28

PayPerPost(ペイパーポスト)は口コミプロモーションとは呼んではいけない

「ブログを使った口コミプロモーション」
↑よく聞く言葉になったと思います。

一時前は、いくつかの会社が独占的に展開していましたが、いまや数多くの企業がこの言葉を謳っていると思う。

だけど、一般的に「口コミプロモーション」といっても大きくわけて2種類が存在する。
ひとつは、商品やサービスを体験したり、イベントに参加してその感想を記事に書く、というもの。
そしてもう一つが、指定された文言やリンク、画像を使って記事を作成し、またはブログパーツなどを貼り付け、1記事あたり数百円の報酬をもらうというもの。

この後者が一般的に言う、「Pay Per Post」
(1記事投稿に対して、報酬が支払われるという仕組み。)
このペイパーポストを展開している企業は今や、20社くらいはあるだろう。
私の知っている限りでこれくらいあるので、もっと本当は多いかもしれない。

だけど、私はこのペイパーポストを「口コミプロモーション」と呼ぶのは大きな間違いだと思う。

■ペイパーポストのメリット・デメリット

<メリット>
(1)一度に大量の記事が作成される
(※ただ、googleやYahoo!にスパムと判断されてしまう傾向も最近現れているみたいです。)

<デメリット>
(1)やらせ感たっぷりで、広告記事だということがすぐにわかる
ペイパーポストの場合、クライアントが一番の目的とするのは、「SEO効果」でしょう。
そのため、決まったキーワードで決まったリンク先を指定する必要があります。なので、ブロガーは指定されたワード、画像、動画等を使い記事を作成します。
その結果、クライアントの希望通りのワードで検索結果はブログが多数表示されますが、その記事内容を見るとすべて同じ記事に見え、閲覧ユーザーは一瞬で広告記事と判断できるのです。
(ユーザーのリテラシーも非常に高くなってきているので、ほとんどのユーザーが判断可能でしょう。)

(2)ブロガー選定がほぼ不可能
クライアントはブロガーに記事を書いて欲しいと思っていますが、だれにでもとりあえず書いてもらえればいい、とは決して思っていません。
やはり、記事を書いてもらうからには、クライアントにとって優良な顧客になるか、もしくはターゲットとしている閲覧ユーザーを多く抱えるブロガーに記事を書いて欲しいと思っています。
ペイパーポストの場合、先着順で報酬!なども多数存在するため、ブロガーの選定が難しいです。
ブログを使ったプロモーションを行う場合、一番重要なのがこの「ブロガー選定」なのです。

(3)商品に興味があるユーザーではなく、報酬目当てのユーザーがほとんどを占める
ペイパーポストの場合、ブロガーにとってのメリットとはやはり「報酬」。
目的は「お小遣い稼ぎ」なのだ。
この「お小遣い稼ぎ」を目的としているブログが最近は急増しています。
【ブログを書いている中で、モニターに参加する】というよりは、【モニターに参加するためにブログを書く】というものが非常に多く、記事の内容は全てこの「ペイパーポスト」なんですね。
そうなると、どうゆうことが起こるかというと、そのブロガーの属性や閲覧者属性に関わらず、ありとあらゆる商品のレビューが書かれてしますのです。
これは、一番やってはいけないこと。
昨日は車の記事、今日はスイーツの記事、明日はゲームの記事・・・・これでは信頼性がゼロです。

(4)ペイパーポストのサービスを使っているブロガーは、複数のサービスに登録している
(3)でも述べたとおり、ペイパーポストに登録しているブロガーの目的は「お小遣い稼ぎ」です。
ですので、このようなブロガーはありとあらゆるペイパーポストサービスに登録しています。
ということは、同じブロガーを多くのペイパーポスト事業者が共有しているに過ぎないのです。
となると、実際、どこの事業者に発注しても結局書いてもらえる記事内容やクオリティはほとんど一緒なわけです。


口コミプロモーションの成功は、
「記事数がたくさんあがること」でもなく、「ポジティブな記事内容が多くあがること」でもなく、
「口コミを見たユーザーがその商品をどれだけ購入したか」です。

「記事数がたくさん」とか「ポジティブな記事内容」は、目的ではなく過程です。
記事数がたくさんあり、その100%がポジティブな内容であり、その記事が多くのターゲットユーザーに見られていれば、その商品はきっと売れるのでしょう。
そこまで来て初めて成功といえます。

それを考えると、ペイパーポストが満たしているのは、
「記事数がたくさんあがること」のみじゃないでしょうか。

内容に関しては、ポジティブでしょうが全て指定された記事内容なのです。

私は、ペイパーポストをまだ利用している多くの企業に言いたいです。
そろそろ、本当の口コミプロモーションを行うべきです。
今まで実施してきたものはどんな効果がありましたか?